デザインが良くなったらどうなるの? #11

おはようございます、株式会社NASUです。例年よりは暖冬と言われていますが、お変わりありませんでしょうか? 世の中的には、インフルエンザなどが流行しているようです。今日も日々の業務で役立つデザインの知識を、ビジネスパーソン視点でお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みください。
今週のテーマ:
01 | 前田高志がデザインの考え方・視点を伝える:
日本郵政の挑戦に思う、そのデザインに「背骨」はあるか?
02 | 世の中のデザインを深掘りする:
今だからこそ、大事にしたい年賀状文化
03 | NASUのデザインが生んだビジネスの変化:
もらった人が笑顔になる特典を考えたい
04 | デザインの疑問に一問一答!:
Q: デザイン案件を売り込むときに、その費用対効果の説明はどうしていますか?
01 | 前田高志がデザインの考え方・視点を伝える
日本郵政の挑戦に思う、そのデザインに「背骨」はあるか?
(執筆 : 前田高志)
日本郵政が新しいスローガンマークを発表しました。郵便局マークを斜めにしたシンプルなデザインで、「次の時代をリードする」という意志が込められているそうです。


「ちょっとの形状変化で意味を加える」これはデザイナーとして僕もやりたいし、理想。ただ!それで満足してしまっていないか?
こういうのを見ると、僕の心の中にいる二人のリトル前田が戦いを始めます。一人は「おお、挑戦してるじゃないか!」と拍手する前田。もう一人は「それ、本当に刺さるのか?」と腕を組む前田です。
まず、前者の前田が言わせてもらうと、変化を恐れない姿勢って大事です。日本郵政は古い体質の象徴みたいに言われがちですが、そんなイメージをぶっ壊そうという気概は見える。スケボーやストリート風のパーカーなんかを作って、HIP HOPっぽい方向に振り切ったのも「今までのイメージを破壊する」という意図なんでしょう。
でも後者の前田、つまり現実派の僕はこうも言います。「で、それで?」日本郵政が本当に大切にすべきものは何なのか。その姿勢や価値観が見えてこないと、ただ目新しいだけの試みで終わっちゃうんです。ブランドは「在り方」がすべて。外側をどれだけ派手にしても、芯がないと誰の心にも響かない。
たとえば『愛されるデザイン』でも書いたけど、ブランドには「思考の背骨」が必要です。背骨って、人間の身体みたいに普段はあまり目立たないけど、直で見ればしっかりわかるじゃないですか?
「思考の背骨」とは、その会社やブランドが「自分たちにしかできないこと」を理解し、それを貫く意志のこと。この背骨があれば、何をやってもぶれないし、人々の信頼を得ることができる。
今回の日本郵政のマークやグッズからは、その「背骨」が見えない。だから、スケボーを出されても「郵便局がスケボー?」って違和感を覚える。大事なのは「なんで郵便局がそれをやるのか」という軸を伝えることです。
ここで話をあなたに向けます。
今、あなたの仕事には「背骨」がありますか?
何かを作るとき、誰かに何かを届けるとき、その仕事の芯となる意志はしっかりしているでしょうか? 背骨がある仕事は、必ず相手の心に届きます。逆に、背骨がないと、どれだけ時間やお金をかけても空回りしてしまう。
デザインがよくなるとどうなるのか。
それは、見た目が美しくなるだけじゃありません。そのデザインが「背骨」を表現し、未来を切り拓く道しるべになるんです。
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- 今だからこそ、大事にしたい年賀状文化
- もらった人が笑顔になる特典を考えたい
- Q: デザイン案件を売り込むときに、その費用対効果の説明はどうしていますか?
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