デザインが良くなったらどうなるの? #2

株式会社NASUのメールマガジン
株式会社NASU 2025.03.28
読者限定

こんにちは! 株式会社NASUです。

私たちは、デザインで企業の魅力を遊び心を持って引き出すデザイン会社です。NASUがお届けするメールマガジン「デザインが良くなったらどうなるの?」の2号をお届けします。

「デザインが良くなったらどうなるの?」では、主にビジネスパーソン向けに「デザインをよくすることがビジネスにどう影響するのか?」をお伝えしていきます。

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今週のテーマ:

01 | 前田高志がデザインの考え方・視点を伝える:
蔦屋書店のブランディングについて

02 | 世の中のデザインを深掘りする:
キリンビールのコミュニケーション設計と徹底がすごい!

03 | NASUのデザインが生んだビジネスの変化:
「50年以上富士山を守る「土木業界の正義の味方」。若手を採用し次世代に引き継ぐデザイン」渡辺ブルドーザ工事株式会社

04 | デザインの疑問に一問一答!:
Q:デザイン完成までの料金体系が知りたい!

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01 | 前田高志がデザインの考え方・視点を伝える

蔦屋書店のブランディングについて

(執筆 : 前田高志)

どうも!NASU代表/クリエイティブディレクターの前田高志です。昨日、蔦屋書店梅田店で『愛されるデザイン』のトークセミナーを開催してきました。蔦屋書店のブランド作りはすごく参考になるので今日はその辺について書いてみます。

僕たち40代半ばの世代にとって、TSUTAYAは街中のレンタルビデオ屋というチープなイメージでした。佐藤可士和氏がアートディレクションしたTポイントカードは、従来の庶民的なイメージを一新し、洗練されたデザインで注目を集めました。僕がすごいなと思ったポイントは、黄と青の組み合わせにグレーを加えることで、グレード感を演出しています。これは完全にデザイナー思考。

一方、六本木のTSUTAYA BOOKSはそのときはじめてかな?スターバックスと書店を融合させた空間で、センセーショナルな存在でした。これがその後の「蔦屋書店」の基盤となり、居心地の良い空間でコンテンツを楽しむという新しいスタイルを提案しました。

蔦屋書店は、台湾の誠品書店がモデルになっていると言われています。誠品書店は2004年に雑誌『TIME』アジア版で「アジアのベストブックストア」に選ばれ、2014年にはアメリカCNNで「世界で最もクールな書店」の一つとして紹介されました。両者は単なる書店ではなく、文化的な体験を提供する場として共通しています。

蔦屋書店は、時代の変化に合わせて、ただ商品を提供するだけでなく、物を楽しむための空間作りへと進化しました。これはどの業態にも言えることで、あなたの業界では商品にどんな付加価値を提供していますか?

昨年、代官山蔦屋書店と仕事をした際、「居心地への執着」がブランドを高めていると強く感じました。「抑することは良くすること」という考え方は、ブランド構築において重要です。現場で生まれる邪悪なグッドアイデアを採用せず、徹底して抑止して守ってきたからこそ今のブランドが出来上がっている。これは僕の著書『愛されるデザイン』でも述べており、みなさんに最も伝えたいメッセージです。

余談ですが、数年前に銀座の蔦屋書店のトークイベントでの登壇で厚切りジェイソンさんの「ファーイ?ジャパニーズピーポー!!」のネタを全力でやりました。居心地と真逆のことをやってしまってますね……反省してます。

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続きは、4233文字あります。
  • キリンビールのコミュニケーション設計と徹底がすごい!
  • 「50年以上富士山を守る「土木業界の正義の味方」。若手を採用し次世代に引き継ぐデザイン」渡辺ブルドーザ工事株式会社
  • Q:デザイン完成までの料金体系が知りたい!
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